なぜソフトスキンセンサなのか?

 将来的には、人間と作業空間を共有し、複雑な環境で作業し、安全かつ適応的な作業を実行するためには、多くのセンサが必要です。ロボット表面の触覚センサは、環境との接触に関する最も詳細で直接的な情報を提供することができるため、重要な要素です。しかし、センサがロボット表面上に広く分布する構造は実装が困難です。
 私達は触覚スキンセンサを設計する際には、(i)柔らかく、(ii)分布しており、(iii)3軸力ベクトルを感知し、(iv)統合されたエレクトロニクスを有するべきであると考えます。
(i)柔軟性
 ロボットの皮膚の柔らかさは、他の方法では達成できない保障を追加し、ロボットの安全性を高めます。一般的な能動的な制御だけでは反応が遅くなります。力に追従する関節の機構は、柔らかい皮膚よりも多くのエネルギーを吸収することができるので重要な要素であり、ロボットのさまざまな関節を分離して扱うことができますが、人間と接触する部位の慣性は依然として危険です。柔らかい皮膚であれば衝撃エネルギーを衝突部位で直接吸収することができます。さらに、ロボットハンドに用いれば把持の安定性を高めることができるため、把持操作にも役立ちます。
(ii)分布型
 分布型スキンセンサは、触覚自動制御や触覚物体認識などのタスクに使用できる、環境との詳細な接触情報を提供します。代替方法としてロボットの関節の力センサのような方法が存在しますが、各センサは作用するすべての力の合計を測定するだけなので、情報は多くありません。
(iii)3軸力ベクトルの検出
 ほとんどの分布型スキンセンサは単軸力のみを測定しますが、触覚による自動制御などの作業には力ベクトル情報を測定し使用する必要があります。分布力ベクトル測定は、2つ以上の接触を有する環境において有用であり、分布力ベクトルを測定することができない既存の方法では困難です。
(iv)一体型のエレクトロニクス
 ロボットの表面に多数のセンサを配備する際には、通常、電子部品は分散して配置され、多くの導線やスペースが必要となり、ロボットの実装とメンテナンスが困難になります。そのため、分散して配置された電子部品がそれぞれの役割を果たしながら、複数の部品がデータラインを共有する必要があります。また、アナログ情報の代わりにデジタル信号を送信することにより、センサ信号が環境からのノイズを受けにくくなります。